ダイハツから発売されたコペンのスポーツモデルとして、トヨタの GRブランドが手掛けた特別モデルがコペンGRです。最近では東京モーターショーに登場し、コアなファンを驚かせました。今回はそんなコペンGRの魅力をご紹介致します。
トヨタGAZOO RACING コペンを開発
まずはトヨタの GRブランドの特徴をご紹介します。
GRはトヨタの GAZOO RACING ( ガズーレーシング ) がで手掛けるスポーツブランドです。
WRCなどのレース車両から得たノウハウを一般モデルの車種に落とし込み、ノーマルからスポーツ性能を底上げをする役割を担っています。
一部車種を除き、GRモデルではエアロパーツと足回り、各種の補強を中心に仕上げられています。
モデル設定された車種は幅広く、アクアやプリウスと言ったエコカーからトヨタのスポーツモデルのフラッグシップであるスープラまでの幅広い車種をカバーしています。
今回紹介するコペンはトヨタ傘下の軽自動車メーカーのダイハツのスポーツモデルとして根強い人気を持つモデルとして定評があり、2年の時を経て 2014年にフルモデルチェンジを果たしています。
コペンの最大の特徴はオープンスポーツカーであるという点です。
性能重視のスポーツカーではなく、純粋にドライブを楽しむというスタンスの車種なので、GRブランドとの相性はよく、非常に良い仕上がりになっています。
業界勢力図としては、GRブランドは日産のニスモ、ホンダのモデューロの立ち位置にあり、直接的な車種で挙げるとホンダの S660を中心としたコンパクトスポーツが競合相手となります。
スポーツモデルではスープラを頂点にして、次点に 86というラインアップで、そこにコペンGRが加わる事によりスポーツカーGRのエントリーモデルとしての役割も果たしているという側面を持ち合わせている一台になります。
コペンは元々スポーツカーとしての完成度が非常に高く、コアなファンを獲得している車種でもあります。
そんな車を仕上げるにあたり、コペンGRではメンバーブレースの追加での補強とフロア下の空気を整流する専用のスパッツとエアロパーツを装備し、純正からワンランク上の走りを手に入れています。
トヨタコペンGRスポーツの価格
GR SPORT (CVT)
マニュアル感覚で操れるパドルシフト
2,380,000(税込)~
GR SPORT (5MT)
操る楽しさを追求するフロントスーパーLSD
2,435,000(税込)~
ベースモデルから約 30万円増となりますが、専用装備の内容を見れば決して高い価格ではないですし、何より 300万以内で収まる貴重なスポーツカーと言えます。
以下が GRコペンの主な専用装備になります。
<外装>
① 専用フロントバンパー&専用ラジエターグリル
② 専用リアバンパー(ディフューザー形状)
③ BBS製 専用鍛造アルミホイール(専用色マットグレイ塗装)
④ 専用LEDヘッドランプ+ブラックエクステンション加飾
⑤ 専用LEDリアコンビネーションランプ+ブラック加飾
⑥ 専用LEDフォグランプ/フォグランプベゼル
⑦ GR SPORT エンブレム(フロント/サイド/リア)
<内装>
⑧ 専用レカロシート(GR刺繍ロゴ)
⑨ 専用自発光式 3眼メーター( GRロゴ・針赤・赤照明 )
⑩ MOMO製 専用革巻ステアリングホイール
⑪ 専用ピアノブラック調加飾( センタークラスター /ドアグリップ )
<足回り>
⑫専用チューニングショックアブソーバー(コイルスプリング赤塗装)
<操舵系>
⑬ 専用チューニング電動式パワーステアリング
<ボディ剛性>
⑭専用フロントブレース追加 1⃣
⑮専用センターブレース形状変更(専用床下スパッツ付き)2⃣
<駆動系>
⑯フロントスーパーLSD(マニュアル車標準)
トヨタコペンGRスポーツの走行性能
コペンGRスポーツは「 都市でも、郊外でも、ハイウェイでも胸高鳴るドライビング体験へ 」というコンセプトで作られており、足回り部品 と4点以上のボディパーツを中心に補強がなされています。
しなやかな足を持ち、街乗り、高速、ワインディング、サーキットとオールマイティに楽しめるのがこの GRコペンの最大の魅力です。
その秘密は足回りの固さにあります。
GRコペンは、ビルシュタインサスペンションを持つSグレードよりもバネレートが低く設定されていて、路面の凹凸や高速道路の繋ぎ目などでその違いを感じる事が出来ます。
ロールもやや大きいですが、収まりは良く、ボディが補強された事でピタッと止まる事から荷重移動を利用する事で、より効率的にタイヤを使い、コントロール性の高い操舵感を感じると共にどの速度域でも楽しめるハンドリングへ調律されています。
また、ボディ補強がなされた事により、専用サスペンションが動きが良く、オープン/クローズ時の挙動変化をより多く感じられます。
クローズにする事でボディ剛性を強く感じ、よりグリップ感の高いステアリングフィールになります。
5MT仕様では標準モデルではメーカーオプション扱いとなっていた、フロントスーパーLSDを標準装備し、スムーズなコーナリングとトラクションの高い立ち上がりを行う事が可能となっています。
トヨタコペンGRスポーツの内外装
外装
専用エアロパーツにより標準モデルよりもスポーティーかつスパルタンな印象を受けます。
フロントエアロは純正よりも凹凸が少なく、エンジンへの空気取り入れ口も広くなっている事から冷却効果と空力を身につけています。
サイドで目を引くのは専用のマットグレイに塗装された BBSホイールです。
マットグレイ塗装により、前後バンパーとの相性も良くなり、全体的に足元が引き締まった印象を与えてくれます。
更に、ダークカラーとなっている事でスポーツ走行後のブレーキダストが目立ち難いというメリットもオーナーにとっては嬉しいポイントです。
リアバンパーはディフューザー形状を織り込む事でデザインと性能の両面を追求した仕上がりとなっています。
また、テールランプもブラック加飾としており、リヤビューもスパルタンな雰囲気を持っています。
内装
内装はブラックで統一されており、インパネ各所にカーボン調パネルが装備されており、スポーティーなコックピット空間を演出しています。
専用装備として、メーター、momo社製ステアリング、そして専用のレカロシートです。
専用レカロシートは肩の部分のサポート部分にワイヤーが入っており、ドライバーをしっかりとホールドして旋回時の強い横 Gでも安定したドライビングをサポートします。
更にこのレカロシートにはシートヒーターが内蔵されており、寒い時期のオープン時などでも快適なドライブをする事が可能となっています。
専用装備の各所に GRのエンブレムやロゴの刺繍が施されており、GRオーナーとしての所有欲を満たしてくれる仕様となっています。
また、オプションで GRフロアカーペットと GRアームレストをラインアップし、快適さと GRのプレミアム感を更に引き上げてくれます。
トヨタコペンGRスポーツの特徴・開発・走行性能を徹底チェック!まとめ
今回のご紹介はいかがでしたでしょうか。
足回りを中心に非常に拘って作られたモデルであるという印象を筆者は受けました。
軽自動車という制約のある、サスペンションストロークが稼げない中ではスポーツモデルは足回りを固める方向でセッティングをされる事が多く、タイヤに頼りがちな方向で作られ、結果的に低速域でのドライビングが犠牲になる方向にあります。
ですが、コペンGRではボディを補強する事であえてサスペンションのバネレートを落とし、低速域から高速域までの全てで走る楽しさ、操る楽しさを追求した一台となっています。
標準モデルから約 40万アップとなりますが、このような車両そのものの特性を変え、より高い完成度を持って販売されるのもメーカーチューンならではの仕上がりで、追加装備されるパーツの内容も含めると決して高くない設定であると思います。
皆さんの車選びの参考になれば幸いです。
それでは楽しいカーライフを!
アイキャッチ画像 https://toyota.jp