国産オープンスポーツという独特なキャラクターを持つマツダロードスターは現在のND型の登場から 6年経てマイナーチェンジが行われました。大規模な変更はないものの、内外装やエンジン、足回りの各種が熟成し、大きく進化しました。今回はそんなマツダロードスターの魅力をお伝えします。
マツダロードスターの歴史
マツダロードスターは歴史のあるオープンスポーツカーで、日本車では珍しく初登場の 1989年から今年 2024年に至るまで生産が続いている名車と呼べるクルマです。
ロードスターは今回ご紹介するモデルで 4代目となりますが、エンジンの排気量も含めてオープンスポーツというパッケージに大きな変更はなく、その時の時代を反映する形で設定されている独自の地位を築いている 一台です。
・初代NA型 1989年~
記念すべき初代となるNAロードスターは人馬一体をキーワードに開発され、80年代から幅を利かせているターボやVTECエンジンなどを中心とした速さにとらわれないクルマ作りは、当時の中でも独特の立ち位置でした。
歴代の中で唯一のリトラクタブルヘッドライトが特徴です。
・2代目NB型 1998年~
歴代の中でも最もスポーツ性能に振っていた 2代目ロードスターは初代NAモデルの成功もあり、NAモデルをブラッシュアップしながらも、1800ccエンジンと改良された足回りが与えられ、初代NAよりも速さを追求したモデルでした。
限定ではありますが、歴代で唯一のターボエンジンを搭載したホットなモデルもラインアップされていました。
・3代目 NC型 2005年~
初代NA、2代目NBから続いたプラットフォームを 一新して生まれ変わった3代目モデルです。
ボディサイズの 3ナンバー化や 2000ccエンジンの搭載など、当時のロードスターファンを困惑させたモデルとなりますが、RX-8の設計を流用した足回りやシャシーの軽量化が行われ、重量増を抑えた高性能な 一台へと仕上がりました。
また、オープン時の風の巻き込みやトランクルームなど日常使いにも対応していたモデルです。
・4代目 ND型 2015年~
原点回帰とも言えるこのモデルは先代モデルからボディ、エンジン共にダウンサイジングが行われ、走りと内装の質感が大きく引き上げられました。
ボディは 3ナンバーですが、一回り小さくなり、エンジンも 1500ccとなりました。
ですが、徹底した軽量化と前後重量配分 50:50とし、理想的なハンドリングを実現しています。
マツダの鼓動デザインとSKYACTIV TECHNOLOGYを採用し、新規ユーザーも多く獲得しています。
また、4代目ロードスターの特徴としてはいくつかのバリエーションがあります。
2000ccエンジンとタルガトップとなっているロードスターRFは余裕のある走りとタルガトップによる快適性を重視したモデルです。
2000ccエンジンによる加速は非常に良く、ND型とは別物と言われるほどの高い動力性能を持ちます。
イタリアのアバルトからNDロードスターをベースとした 124スパイダーが 2016年~ 2020年の間に発売されました。
乗り味としては非常に走りに特化しており、エアロパーツによってボディサイズがひと回り大きくなった他、1400ccターボエンジン、ブレンボ製ブレーキ、ビルシュタインダンパー、機械式LSDの装備により、キビキビとした走りが可能となっています。
これらの仕様に対応し、高い性能を発揮するND型ロードスターはその高い性能と設計の素性の良さが伺える 一台となっています。
マツダロードスターの外装
NDロードスターの外装はボディーラインにNAロードスターをモチーフとした曲線的なデザインを用いています。
魂動デザインによって深化させる事でロードスターとしての意匠と先進的なデザインを高次元に融合させたものとなっています。
フロントはデイライトのデザイン変更が行われており、従来モデルよりもシャープな印象を与えてくれます。
リアテールランプはより立体的に見えるようなデザインとなっており、スポーティーかつ躍動感のあるデザインに仕上がっています。
ロードスターのアイデンティティとも言えるオープン機構はガラスリアウィンドウ付きのソフトトップとなっています。
開閉は手動で行いますが、特別な手順や操作は不要で室内のロックを解除して後方に移動させるだけで簡単にオープンにする事ができます。
閉じる際にはアシストスプリングが操作をサポートしてくれるので軽い力でスマートな操作が可能です。
マツダロードスターの内装
人馬一体を目指して作られた内装は走りを快適にする仕組みで溢れています。
コンソールとシート周りに各種操作スイッチ、パネルを配置してオープン時においても的確な操作が可能となっています。
レーダークルーズコントロールとスマートブレーキサポートの進化に合わせてフレームレスデザインのミラーを装備しています。
フレームレスミラーから見る後方の視界にも開放感が得られます。
センターディスプレイは 8.8インチのフレームレスデザインとなり、前方の視界の確保がよりクリアなものとなりました。
マツダロードスターの走行性能について
マイナーチェンジによって進化した 3つのポイントをご紹介致します。
1、エンジンパフォーマンスフィールの向上
国内のハイオクガソリンに合わせた専用セッティングを施す事で出力を 3kW向上させると共に伸びのある加速フィーリングを体感させてくれます。
2、電動パワーステアリングの進化
ステアリングラックの摩擦低減とモーターアシスト制御の改良によって、ハンドルから伝わる路面フィードバックとハンドルを切り始めてから戻すまでの操作感はドライバーの意図が直接ロードスターに伝わっているような高い 一体感が得られます。
3、LSDの改良(ロードスター「S」を除くMT車のみ)
駆動輪である後輪の荷重減少による不安定な挙動の安定を目標に、加速・減速時における作動制限力を変換させる事で、ターンインにおける減速旋回時の安定性と立上りの際のスムーズでリニアな旋回特性を実現しています。
グレードと価格
NDロードスターのグレードと主な特徴についてご紹介致します。
S
6MT
2,898,500円(税込)
静音材なども排した最も軽量なモデルで軽快感と開放感を追求したエントリーモデル
S Special Package
6MT
3,087,700円(税込)
6AT
3,203,200円(税込)
フルオートエアコン、フレームレスミラー、インテリアの装飾などの基本装備を備えたミドルグレードモデル
S Leather Package
6MT
3,498,000円(税込)
6AT
3,613,500円(税込)
レザーシートとインシュレーター付きソフトトップを備える上質な上級グレード
S Leather Package V Selection
6MT
3,553,000円(税込)
6AT
3,668,500円(税込)
上質なタン内装と幌を採用した快適な上級グレード
・RS 6MT
3,498,000円(税込)
6AT
3,679,500円(税込)
RECAROシート、大型ブレーキ、ビルシュタインダンパー、タワーバーなど走りの装備を充実させた上質なスポーツモデル
※ NR-A
6MT
3,064,600円(税込)
競技ベースを目的としたグレードで、RSの走りの装備はそのままに快適装備が省かれたスパルタンなモデル
マツダロードスターの魅力とマイナーチェンジの進化についてのまとめ
今回のご紹介はいかがでしょうか。
マツダロードスターは世界でも珍しい生粋のオープンスポーツカーであり、カタログスペックだけでは計れない、本当に乗って楽しい 一台である事がわかりました。
この先もロードスターは形を変えて進化していきますが、このNDロードスターは間違いなく、ロードスターの歴史に名を残すモデルであると感じました。
皆さんの車選びの参考になれば幸いです。
それでは楽しいカーライフを!
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